月下推敲

『唐詩紀聞』の故事を踏まえての熟語だが、いまでは「推敲」だけで、文章の練り直しの意に用いられる。
俳句では芭蕉が言った「舌頭に千転せよ」が有名。もうこれでよいと思っても、なお千たびも繰り返して唱詠してみて吟味せよということだろう。特に、自分の詠もうとしていることがきちんと表現できているかが肝心。一読句意明解が扉俳句会の理念のひとつである。

 

扉を敲けば月下の門の石榴かな   邦雄